劇レアコイン
— 1645-90 Hungary 5 Ducats FR-563 —

  • 単独一位の最高鑑定品! 1645-90 ハンガリー 5ダカット金貨 NGC AU55



    2018年1月のオークションで同じデザインの10ダカット金貨が570万円の価格で落札されております。

    表:竜を退治するセント・ジョージ
    イギリスのソブリン金貨では馴染み深い「竜を退治するセント・ジョージ」。 より躍動感と迫力をコイン一杯に描いてあります。

    裏:船に乗ったキリストと2人の使徒
    キリストと2人の使徒の乗った船が荒波の中を雲の隙間からのぞく風神の風を受ける絵柄は神々しい。

    単独一位の最高鑑定品です。
    NGC AU55の素晴らしい金貨です。



    イギリスの貨幣史上に目立つのは、1817年のソブリン金貨の裏面に見られる〈セント=ジョージの龍退治〉の図である。これはジョージ3世の治世下から、ヴィクトリア、エドワード7世、ジョージ5世、ジョージ6世そしてエリザベス2世の治世下で用いられ続けた。このデザインを最初に採り上げたのは、ベネデット・ピスタルッチでイタリアから1815年に王立造幣廠にやってくると直ぐに主任刻印師としてトーマス・ワイオンを継承した。そして17年のソヴリン金貨から、素晴らしいセント=ジョージの龍退治を登場させた。これは極めて優れていたことで、実に1992年まで使用され続けたのであった。

    ところがこのテーマは、ピスタルッチのオリジナルではない。中世の十字軍が聖地へ遠征したときの騎士たちの守護神だったのだ。ヨーロッパ社会で広く知られており、龍はイスラム教徒を意味したのだろう。やがて1600年代に入ると、主として大型銀貨にそれが用いられ始めた。マンスフェルト・ヒンターフォルトで、1603年からターレル銀貨が発行されたのだ。HINTERFORTだから「隠し砦」だろう。ここでは4ターレルという超大型銀貨まで存在した。本家のマンスフェルトでも、1604年から30年までのあいだに、実に19種も発行された。ヒンターフォルトの12種を超える。ここでも4ターレル銀貨までが見られた。また金貨も存在する。マンスフェルト系では他にも、アルテン、ボンステート、そしてアイズレーベンなどに1から2ターレル銀貨があった。マンスフェルト系以外では、ザクセンで1671年と78年に、ターレル銀貨が発行された。これはマンスフェルト系のコインよりも、遥かに出来栄えがよい。やはり刻印師の技工の差と言えるだろう。

    そうしたなかでザクセンと並んで出色の出来を示しているのが、ハンガリーの1645年から90年にかけてのダカット金貨。このコインは宗教的な意味を有しているのか、セント=ジョージと龍を表に、そして裏面には嵐の中を漂う小船を描く。ともかく出来栄えがよく、マンスフェルト系のものと比較しても問題にならない。素晴らしい金貨と言える。

    ドイツ・エッティンゲン=エッティンゲンの1624年と25年のターレル銀貨は表面の紋章の素晴らしいコインだが、この裏面がまたすごい。セント=ジョージの龍退治は、ハンガリーの5ドュカット金貨に匹敵する卓越した出来栄えを示している。

    いずれにせよセント=ジョージの龍退治を描いたコインとしては、ハンガリーの5ドュカット金貨とこのエッティンゲン=エッティンゲンのターレル銀貨、それにザクセンの1671年と78年のターレル銀貨が傑作だと断言できる。

    イギリスには類似したタイプのコインが見られる。これはエリザベス1世の治世下で発行されたエンジェル金貨で、1558年から93年にかけて存在した。ただし、ここに描かれているのはセント=ミカエル(マイケル)の龍退治となっている。



    現在発売中:
    http://www.kinbai.com/catalog/detail/558